青春の備忘録

2月──ラスト・ワン

 2月、校舎全体に春の訪れが近づき、浮ついた空気が流れる。
 定期考査が終わるとともに、大勢の女子生徒が大きな袋を抱えて学校へ向かう。
 私もその一人だ。
 「おはよう、ハッピーバレンタイン!」
 昨晩、課外授業を終えて作ったチョコレートを朝から学校に来たクラスメイトに渡す。
 「ありがとう!めっちゃ可愛いし美味しそう!」
 私が作ったチョコレートは、カラフルなスプーンに生チョコレートとアラザンやチョコレートスプレーを乗せたもので、近隣のクラスと8組と9組の人たちやその他のクラスの人たちに渡すために100本を用意した。
 お昼休みには自分のクラスと近隣のクラスには配り終えて、8組と9組に配ることにした。
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