青春の備忘録
 「あれ?部長は…」
 私は壁側に移動していたテーブルや椅子を元の場所に戻しながら部長の姿を探していたが、見つからなかった。
 「田川さん、俺も手伝います」
 椅子を運んでいるところに、誰かが来た。
 「えっと、上原くんだよね、お手伝いありがとうございます」
 私は良太に手伝ってもらいながら、片付けを進める。
 「ライブ、めっちゃかっこよかったっす!また見に来ますね」
 ライブ中の景色を思い返して気がついたが、良太は最前列の中央でライブを見てくれていた。
 「今日はたくさんの方に来ていただいて私も嬉しかったです。またぜひ!」
 片付けを終えて、私と良太はそれぞれ自分の教室へと戻っていった。
< 52 / 174 >

この作品をシェア

pagetop