青春の備忘録
 5月の別の日。
 お昼休みの教室は少し暑さがありながらも爽やかな風が通り、穏やかなお昼だ。
 私は友達4人でひとつの机を囲み、お昼休みの後にある授業の小テストの勉強をしながら昼食のお弁当を食べていた。
 「『ねんず』は、仏道修行をする、じっと我慢をする」
 「『いぶせし』は鬱陶しい、不快だ、気掛かりだ」
 「『こちたし』は煩わしい、仰々しい」
 「『ながむ』は物思いに(ふけ)る、ぼんやりする」
 順番にテスト範囲の単語を言いながら、言い終わったら箸を動かす。
 クラスのみんながそうやって勉強をしながらご飯を食べていたので、教室はとても静かだった。
 その静かな教室に、ガラリと勢い良くドアの開く音がした。
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