青春の備忘録

6月──おしゃべり

 それからというもの、突如教室に誰かが乗り込んでくるということは無くなった。
 できれば8組とは薄い関わりでいたかった。
 何かと元気が良すぎる彼らと関わると、クラスのみんなにも迷惑をかけてしまうし、自分の学校生活にも影響が出るかもしれない。
 しかし、それでも完全に8組との関わりを断つこともできなかった。
 合唱部の部長が8組の人だったので、何かと連絡があって自ら8組に出向かなければならないという事態になってしまった。
 いつも一緒にご飯を食べている友人たちに断って、1人で急いでご飯を食べて歯磨きをして、楽譜を持って上階へ向かう。
 今月末に迫った地域の学校による合唱交流会の相談だ。
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