青春の備忘録
 合宿の最終日は、午前中だけで、2コマを終えたら解散ということになっていた。
 私は最後の最後まで寝ていたが、帰りのバスを降りて学校に着いて、学校から1kmほどある駅まで、大きな鞄を抱えて駆け足で向かった。
 1時間に数本の電車に飛び乗り、いつも降りる終点の駅の、ひとつ手前で降りた。
 10分ほど歩いて着いた先は、県営球場だ。
 吹奏楽部の応援が聞こえる。
 私は、500円を持って受付へ向かった。
 「高校生1枚、お願いします」
 受付にいた野球部員は、お金を受け取らなかった。
 「試合をしている高校の方ですよね、そのまま入ってもらって大丈夫です」
 私は少し驚いた。
 全校応援であれば確かにそのまま入れるかもしれないが、私はそうではない。
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