青春の備忘録

10月──私は愛に落ちた

 「ふう……」
 秋も深まり、文化祭が近づく季節になった。
 少し冷たい風が吹く中、ギターを背負って歩く。
 私は今年の文化祭でギターの弾き語りをすることにしていて、今年はさらに合唱部の伴奏もできることになっていた。
 今日は文化祭の前日──準備日で、今日1日は授業が行われず、始業から就業までが文化祭の準備に充てられる。
 「おはようございます」
 玄関前で掃き掃除をしている校長に挨拶をする。
 「お、2年の田川さんだね。ギターを持ってきたのか〜、すごいなあ」
 私はペコリと礼をした。
 「明日の文化祭で弾かせてもらうことになってて、今日はそのリハーサルなんです。頑張ります!」
 校長との話を後に、教室へ向かう。
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