青春の備忘録
 高校に入学してから半月はただ新しい環境に慣れるのに忙しかったが、徐々に慣れてきた頃のある日、私は掃除のために雑巾を濡らしにお手洗いの中にある洗い場へ向かった。
 入学したての頃から掃除をしていていつも思っていたが、教室のすぐ近くにあるお手洗いの中の洗い場は、掃除中はいつも上級生がたむろしていて混雑していた。
 私は先輩たちの山をかき分けて洗い場まで行くのが怖くて、お手洗いを出て教室の前を通り過ぎ、角を曲がって図書館の前も通り過ぎて自分の教室の向かい側にある洗い場を目指した。
 しかし、目的の洗い場にたどり着く前に思わず後ずさりしてしまう光景を見てしまった。
 たった向かい側の廊下なのに、自分のクラスの静かさとは真逆の賑やかさだった。
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