虜囚島
心臓を掴まれた感じがした。
まさか、身近にこの様な事を考えている人がいるとは思っても見なかった。
いつもの調子ならば、「何、馬鹿言ってんの。あんんたの妄想でしょ」で終わるところなのだが、今の私は「神社の存在しない違和感」が頭から抜けなく、広一の言葉に引き込まれた。
「どういうこと…?」
聞くしかなかった。
いや、聞きたかった。
私とは違う、彼の感じる違和感に興味があった。
「いや、何かは分かんねぇんだけどさ」
この時ほど、「期待した私が馬鹿だった」と思ったのは、後にも先にもこの時だけではないだろうか?
私の呆れ返った表情を見てか、広一が取り繕う。
「いや、ほら、あるじゃねぇか。原因は分からないけど、変だと思う事がさ」
「あるけど……何だかなぁ~」
こんな得体の知れない事を、一緒に考えてくれるのは有り難いが、どうも広一は戦力にならなそうな気がする…。
「それにさ、俺が違和感を感じるのは常にじゃねぇんだ」
思いがけず、興味を引く言葉に、私は身を乗り出した。
「どういう事?」
「いやな、何度か違和感を感じる中で、その違和感が、ある決まったルートを通った時にだけ感じる事が分かったんだよ」
これには興味があった。
つまりそれは、その道には、感覚的、視覚的、臭覚的な、いずれかの要因において、何か通常とは違うものがあるのだろう。
「まぁ、俺の方の事は、アバウトな上に、かなりすっ飛んだ話だし…結花の方が調べるの早そうだしな。先ずは、この島に神社があるかどうか調べてみないか?」
いつの間にか、「違和感の元を突き止め隊」みたいなものが結成された。
広一は、いつも「思い立ったら即行動」なところがある。
しかも、それに救われることよりも迷惑な事が大半だったりする。
今回も、それに近い。
何せ、私は勤務中なのだ。
まさか、身近にこの様な事を考えている人がいるとは思っても見なかった。
いつもの調子ならば、「何、馬鹿言ってんの。あんんたの妄想でしょ」で終わるところなのだが、今の私は「神社の存在しない違和感」が頭から抜けなく、広一の言葉に引き込まれた。
「どういうこと…?」
聞くしかなかった。
いや、聞きたかった。
私とは違う、彼の感じる違和感に興味があった。
「いや、何かは分かんねぇんだけどさ」
この時ほど、「期待した私が馬鹿だった」と思ったのは、後にも先にもこの時だけではないだろうか?
私の呆れ返った表情を見てか、広一が取り繕う。
「いや、ほら、あるじゃねぇか。原因は分からないけど、変だと思う事がさ」
「あるけど……何だかなぁ~」
こんな得体の知れない事を、一緒に考えてくれるのは有り難いが、どうも広一は戦力にならなそうな気がする…。
「それにさ、俺が違和感を感じるのは常にじゃねぇんだ」
思いがけず、興味を引く言葉に、私は身を乗り出した。
「どういう事?」
「いやな、何度か違和感を感じる中で、その違和感が、ある決まったルートを通った時にだけ感じる事が分かったんだよ」
これには興味があった。
つまりそれは、その道には、感覚的、視覚的、臭覚的な、いずれかの要因において、何か通常とは違うものがあるのだろう。
「まぁ、俺の方の事は、アバウトな上に、かなりすっ飛んだ話だし…結花の方が調べるの早そうだしな。先ずは、この島に神社があるかどうか調べてみないか?」
いつの間にか、「違和感の元を突き止め隊」みたいなものが結成された。
広一は、いつも「思い立ったら即行動」なところがある。
しかも、それに救われることよりも迷惑な事が大半だったりする。
今回も、それに近い。
何せ、私は勤務中なのだ。