虜囚島
広一と別れて、司書の仕事をしていて、ふと気づいた。
ここは図書館だ、つまり…この島の地図があるかもしれない。

本の整理をしながら、地図を探してみる。
そしたら、あったあった、遠見島の地図がたくさん出てきた。
取り敢えず、一番ページ数の多いものを手に取り、パラパラとめくってみるが、さすがにページ数が多いので、受付で読む事にした。

この島は、住人のほとんどが顔見知りの様なものなので、受付で本を読んでいても、怒られる心配はない。
いつも、読みたい本がある時は、受付で読んでいたりする。
そのため、ここの図書館の本は、ほとんど読んでしまった。


一ページずつめくっていく、外壁から始まり、町のページになるが、神社の地図記号を記す鳥居も、神社の名前も見当たらない。

やはりないのか、そう思い始めた時…あった、鳥居の記号。
直ぐに、縮尺が近くなっているページを探してみる。
場所は、遠見島の中心となっている山の頂上に位置していた。
山の名前は「物見山」、神社の名前は…「砦神社」だ。
さすが、元は海外からの攻撃を見張っていた物見の役割を果たしていた島なだけある。


広一と探索する前に、神社があるという情報を入手する事が出来たのは大きい。
広一と会ってから、やる事が一つ減ったので、あいつと行く場所は、広一が違和感を感じている場所と、時間があったら神社を見に行くのも良いと思った。
ただ、山の中なので、行くことが難しい可能性もある事は、覚悟しておこうと思った。
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