最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる2。〜学園編〜
「闇華の口ん中、チョコの味がする」

「それはお昼に食べたから」


「俺にもくれよ」

「まって。今、スクール鞄からだ…」


「お前のがいい」

「んっ…!」


私なんか食べても美味しくなんてないのに…なのに、どうしてそんな表情(かお)をするの?

私じゃなきゃダメみたいな。求められてるのは嬉しい。それと同時に別の感情がやってくる。


私も壱流の血を吸ってみたい。

この衝動はまるで…。


「闇華、お前…」

「なに?」


私の顔をまじまじと見てる。

なにかカオについてる、とか?


「瞳の色が濃くなってるぞ」

「え?」


壱流に言われて思わず手鏡で確認。

…ほんとうだ。血の色みたい。


「それにその牙」

「牙?」


私は壱流に言われ、自分の歯にそっと触れた。


「これって」


生えてる。たしかに牙のようなものが。これは壱流や狗遠と同じ。


なんで今なの?吸血鬼になったのは数か月前なのに。

いくらなんでも遅すぎない?


『キミはまだ完全な吸血鬼になれていない』


ふと、白銀先生の言葉がよぎった。その日私は自分の異変に気付いてしまった。
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