最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる2。〜学園編〜
「幻夢…?」


そこにいたのは紛れもなく…幻夢だった。


毎日学校で会っているのに、普段とはあきらかに様子が違っていて。


「あぁ。姉貴」

「なにを、やっているの?」


目の前の光景に私は呆然と立ち尽くすしかできなかった。


今すぐ止めないといけない。頭では理解していても身体は一歩も動かなくて。


「なにって?掃除ですよ、掃除」

「掃除?」


「そうです。…僕の舎弟の中に裏切り者がいたんです」

「理由を聞いたの?」


「いいえ」

「理由も聞かず切りつけたの?」


「そうです」

「……」


幻夢の足元には横たわってる人がいて。それは私の家族でもあり、幻夢を慕う舎弟の1人だった。


微かに息があり、死体と呼ぶには大げさで、だけど生きている人間としては酷すぎて。


これを幻夢が殺ったという事実を受け入れることが出来ずにいた。

仲間を物みたいに扱っている幻夢を見て、私は初めて彼を怖いと感じた。
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