最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる2。〜学園編〜
「わたしは……っ!?」

「姉貴は相変わらず隙だらけですね」


得体の知れない人から引き離したと思ったらとつぜん幻夢の顔がゼロ距離に。


私はそのまま唇を奪われた。


「姉貴、怒らないでくださいね?
しばらく姉貴に会えない分の充電です」

「しばらくって」


具体的にはどのくらい?いつ帰ってくるの?


私にとって幻夢は忠犬みたいにいつもついてくる可愛い舎弟だっておもってた。

一番目の舎弟で家族だって、そう思っていたのは私だけ?


私が闇姫になって初めてできた友達。


今まで素直になれなくてごめんなさい。

本当は言いたいことがたくさんあった。でも、幻夢のそんな目を見てしまったら私は止められなかった。


「これで姉貴とのキスは2回目ですね」

「……」


嬉しそうな、だけど泣きそうな表情で幻夢は言った。


「僕がいない間、壱流さんに姉貴のことを任せるのはかなり不安ですけど。でも大丈夫ですよね、2人で支え合えば。それに、サイコ野郎とはいえ天才の龍幻さんもいますし。今は確か姉貴の師匠で身体のメンテナンスもしてもらってるんですよね?」

「え、えぇ」


その中に幻夢は含まれていない、そんな話し方。


「私、幻夢がいないと…」

「なにも出来ないっていうつもりですか?」


「!」

「そんなことないでしょう?姉貴は強いです。僕なんかいなくても十分すぎるくらい。って、さっきもいいましたけど」


「弱いから強くなるために遠くに行くとか、弱いから家族の側にいられないとか誰が決めたの?私はそんなのどうでもいい」


だから、行かないで。
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