最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる2。〜学園編〜
「吸血鬼になっても情けないことを言う人がいるんっすね。これは闇姫を守るため彼が決めたこと。彼の意思を無視するのは姉貴として最低っすよ?」

「どこの誰だかわからないけど、あなたが幻夢を闇に引きずりこもうとしてるのはよくわかったわ」


「姉貴、彼を…この人をあんまり刺激しないでください」

「わかってる」


さっきの不意打ちといい、この人の強さは計り知れない。今の私じゃ敵わないことも身にしみてわかった。


だけど悔しい。
このまま幻夢が連れ去られるのは。


「引きずりこもうとしている?失礼っすね。それこそ心外だなぁ。俺は彼の、幻夢くんの意思を尊重して吸血鬼にしてあげるって提案を持ちかけたのに。コツコツ強くなるよりよっぽど効率的っすよ」

「外道が…」


「今なんて言ったんっすか?」

「姉貴、それ以上はやめてください!」


「…でもっ」

「いいんです、僕が決めたことですから。僕はかならず姉貴のもとにもう一度帰ってきます。信じてください」


「幻夢……」


幻夢がこれ以上は危険だからと目で訴えている。それがヒシヒシと伝わってきて私は殴りかかろうとした拳を下げた。
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