最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる2。〜学園編〜
「今からでも止めに行かなきゃ…」

「待て」


「どうして止めるの?私のせいで幻夢は…っ」

「手がかりもない状況で闇雲に探し回るつもりか?」


「……でも」

「闇華が止めに入ってどうするつもりだ?」


「説得する。幻夢を返してもらえるように。それで幻夢には吸血鬼にならないでっていうわ」

「幻夢はお前を守るために吸血鬼になることを選んだ。闇華から聞いた話だとそれで合ってるよな?」


「そうよ」

「お前は幻夢の意思を無視してまで吸血鬼になることをやめさせるのか?」


「それは…」


あれは幻夢の心からの言葉。あの目は揺るぎなくて。私に嘘を言うほど器用じゃないのは知っている。だからあれは幻夢の覚悟。


幻夢自身も人間に戻れないことをわかっていた。それを承知の上で男について行った。


だとしたら私には止める理由がない?
引き止めちゃだめ?

たとえ、どんな理由だったとしても私は幻夢を一度は止めただろう。それが私を守るために、強さを手に入れるため、吸血鬼になるというのなら私は幻夢に一刻も早く戻ってきてほしい。
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