最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる2。〜学園編〜
「幻夢の気持ちも言いたいことだってわかるわ」

「それならどうして止めるなんて真似を…」


「頭では理解してるつもり。でも、壱流ならわかるでしょ?大切な人が危険な道に自ら進もうとしてるならそんな姿を見たくないって気持ちも」

「ああ、わかるさ」


「なら止めないで!」

「ならお前は誰のために闇の世界で生きることを選んだんだ?」


「……」

「おい闇華。なにか言えよ」


「………」


肩に手を置かれ痛いほどの視線を向けられる。


どうしよう。
目を合わせたいのにあわせられない。


だって、合わせてしまったらそれは肯定してるのと同じになってしまうから。なにもいえない。


そうだ。私も大切な人のために裏社会に堕ち、闇姫として手を汚し、今は好きな人のために吸血鬼になった。


そんな私が幻夢に説教?ひきとめる?

私はどの立場で幻夢を止めようとしていたの?幻夢の本当の気持ちもわからないままで。
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