最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる2。〜学園編〜
「闇華」

「なに?」


「他人からしたら手を汚す行為も闇の世界に堕ちることも間違ってることかもしれない」

「…うん」


「それでも、守るべき家族や恋人のためなら多少の犠牲はつきものだ。その犠牲が自分の命だったとしても。大切なものを守るためだったら自らを差すだす。なにかを得るためには何かを失う。闇華、お前にはわかるはずだ」

「壱流は私が貴方に命を捧げるのに躊躇しないって言ったらどうおもうの?」


「うれしいさ」





「ほんとうに?」

「あぁ」


「うそじゃない?」

「こんな状況でウソついてどうすんだよ」


そうか。この気持ちが、この感情が幻夢が私に抱いてる気持ち。

壱流に言われて、やっとわかった。


「ありがとう壱流」

「お礼を言われるようなことはしてないぞ」


「私、幻夢のこと待ってるって言ったからそうすることにする」

「それでいいんじゃないか?俺としては大いに不服だが、闇華にとっちゃ幻夢も家族だもんな」


「不服って…。幻夢は家族で、壱流は私の恋人でしょ?それでも不満だっていうの?」

「だったら恋人らしいことの1つや2つしてみろよ」


真面目な話をしていたはずなのに気が付けば壱流は私の背後に回り込んでいて。

私は後ろから抱きしめられた。
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