最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる2。〜学園編〜
「壱流が最強総長なんて出会った頃は想像もしなかったわ。壱流も大きくなったわね」


私はクスッと笑う。


「なっ…!昔はそうだったかもしれないが、今はお前より大きいぞ」

「身長の話?」


「それもあるが、昔と違うところはたくさんある。例えば…」

「たとえば?」


「…ほら。こうやって押し倒されたら抵抗できないだろ?」


!?


後ろからハグしてるままかと思いきや、そのまま覆い被さるようにベッドに倒された。


正面なら顔も見えるけど後ろからだとみえない。というかこの体勢、表情が読み取れない分いろいろと危ない気がする。


「顔が見えないほうがドキドキするだろ?」

「そ、そんなことな…っていうか退いて」


「退かせてみろよ。…俺が確かめてやる」

「なにを」


「お前が最強の闇姫かどうかを」

「私が本物なのは知ってるでしょう?」


「わからないな。闇姫は誰よりも最強で知られてるからな。男に押し倒されたくらいじゃ屈しない。そうだよな?」


壱流…やっぱり怒ってる。私を元気にするために励ましてくれていたから、さっきの話は流れてるとばかり。

これって私が他の男に手を出されたことに気付いてる、とか?そうじゃなきゃこんなことしないはず。


…いくら動かしてもピクリともしない。上からの力のほうが強いのは当たり前だ。それをわかってて、私のこといじめてる。

ヤキモチ以前に壱流はこの状況を楽しんでる。


…どうしよう。

痛いって嘘泣きでもすればいい? でも壱流にはきっとすぐバレる。それでも一か八かやってみる価値はあるかもしれない。
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