最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる2。〜学園編〜
「壱流」

「どうした?」


「痛い。はなして…」


弱々しい声を出し、嘘泣きの演技。


「闇華がそんな性格じゃないことは知ってるぞ。が、これはこれでクるものがあるな」

「どういう意味?」


「それを続ければ俺の理性も飛ぶってことだ」

「なっ……」


ギリッと壱流の握る力が強くなる。


「闇華。いい加減、俺が男だって自覚しろよ」

「壱流が男なのは知って……やっ」


首筋に優しい口付けを落とされた。

くすぐったい。でもそれだけじゃない。


「俺と2人きりでいるのにお前は他の男の話ばかり。俺がヤキモチ妬いてることにも気付かないで」

「2人にしたのは壱流だし、ヤキモチ妬いてることには気づいてたっていうか…」


「へぇ」

「なに?」


顔が見えないけど口角が上がった気がした。


「恋人をわざと煽るとか噂の闇姫はやることが違うなぁ」

「さっきから闇姫闇姫って私の名前は…」


「闇華」

「っ…」


名前を呼ばれドキッとした。何度も呼ばれてるはずなのに。なんで恋人に言われるとこんなにも胸の奥が高鳴るんだろう。


「2人きりにしたのはお前とこういうことがしたかったからだ。…わかったか?」

「んっ」


「少し噛みついただけなのにな」


甘い声を出してるのは私?

人前ではしたない。油断しすぎ。


「闇華は可愛いな」

「可愛くなんてない」


「その顔もっと見せろよ」

「やだ…」


体制を変えると目の前には壱流の顔。


「いつ見てもルビーみたいに綺麗な瞳だな」

「それをいうなら壱流のほうでしょ?
私のは血の色みたいで気持ち悪いし」


「あれだけ褒めたのにまだ足りないのか?
次に卑下するような言葉を言ったらお仕置きするからな」


それは困る。

急に癖をやめろといわれても難しい。
どうすればいいの?
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