最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる2。〜学園編〜
「ちなみにお仕置きってどんなの?」

「気になるのか?」


「聞いてみただけ」

「具体的には考えてなかったが、闇華が恥ずかしがることがいい」


「いい性格してるわね、壱流」

「褒め言葉としてもらっておく。
…続きしていいよな」


なっ!?

壱流は私の服に手をかけた。


「な、なにするつもり?」

「闇華は俺に負けた。敗者は勝者のいうことをなんでも聞くもんだろ?」


「どこの世界の話よ」

「俺が決めた」


「無効よ」

「じゃあもう一度やるか?どうせ、やったところでお前じゃ勝てないぞ」


相当な自信。でも本当のことだ。


前はここまで弱くなかったのに。自分のあまりの弱さにため息が出る。


多分だけど、壱流に本気を出せないんだ。
負けて好きにしてほしいとかそういう期待を抱いてるわけじゃない。言い訳をしてるわけでもない。知らず知らずのうちに手加減をしてしまってる。

これを話したら怒られるかもしれないけど、手加減をしてるのは壱流もおんなじ。
私に傷が残らないように上手く力を入れている。

その時点で私の敗北は最初から決まっていた。


「そうね…私の負けよ。私じゃ壱流には勝てないわ」

「意外と潔いいんだな」


「だけど今回負けたからといって次に負けるつもりはないから」

「闇華らしいな。じゃ今回は俺の好きにしていいんだな?」


「好きにしてもいいけど痛いのは無しで」

「俺が好きなやつ相手にそんなことすると思ってるのか?」


思ってない。ただ、緊張してる。

いまにも唇が触れてしまいそうなほど近くて。
私はなにをされるのか嫌でも察してしまった。


あぁ、駄目だな。
いつの間にか私は壱流を受け入れてしまってる。
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