最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる2。〜学園編〜
「検査も終わったみたいですし私は教室に戻ります。ありがとうございました」

「炎帝さん」


「なんですか」

「例の銃はまだ持っているかい?」


「…試しに触れてみましたがもう使う必要はないと思います」


それは白銀先生にもらった銀の銃のこと。壱流がもし暴走したときに使えばいいと渡されていた。


もしものことがあると心配だからと太ももにくくりつけてはいるけど、この数か月、壱流は安定している。いまは半端モノじゃない…壱流は吸血鬼だ。


「やっぱりこの銃はお返ししま……」


!?


「キミが持ってなさい。いずれ使うときのために」


銃を返そうとしたら手を握られた。


「だから使うときなんてないです。それに私は吸血鬼ですよ?」


吸血鬼にとって銀はキケンだ。

数秒でも触れば手が火傷のようになり、ただれてしまう。弱点である銀は吸血鬼の回復能力でも治りがおそい。


…触れれば。あれ?


「気付いているんだろう?普通なら吸血鬼はそれに触れることさえできない」

「でも私は吸血鬼になりました。なったんです…あの日壱流と」


「キミはまだ完全な吸血鬼になっていない」

「……」


「壱流に吸血鬼にされたと思っているのか?それは違うよ」

「そろそろセクハラで訴えますよ。…白銀先生」


私は白銀先生の手を振り払った。

一体なにが言いたいの?
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