最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる2。〜学園編〜
やっぱり私のせい、だろうか。私がまだ弱いままだから。


「キミに大人のなにがわかるというんだい?」

「っ…」


「ほら答えられない。それは当然だよね?キミも壱流と同じ子供なんだから」

「…げん、にしろ」


「壱流、オレに盾突くつもりかい?」

「いい加減にしろって言ってんだ!最近どうしたんだよ…龍幻。前のお前はもっと……闇華、行くぞ」


「え?」

「検査はもう終わったんだろ?」


壱流は白銀先生に鋭い殺気を出しながら、私の手を引いて部屋から出た。


「…どうしてキミたちはわかってくれないんだ?……はい、白銀です。そうですね、今回も例の少女の血はとれませんでした。異常ですか?本人にはまだ話していませんがいずれ覚醒するのは時間の問題かと」


* * *


「壱流、離して」

「……」


「壱流!」

「!闇、華…わるい」


「大丈夫?」


やっぱり銃で撃たれそうになったのが原因よね。当てる気がないにしてもギリギリだった。吸血鬼なら銃口を向けられただけでも怖いのに。


「へーきだ」


全然平気にはみえない。


「教室で少し休もう?この時間なら誰もいないだろうから」

「あ、ああ」


私は微かに震えてる壱流を支えながら教室に足を進めた。


「闇華、俺がもし大丈夫じゃないっていったらお前はどうする?」

「えっと…」


この場合、なぐさめるのが正解よね?頭でも撫でて落ち着かせるのが一番だろうけど、それを壱流にすると「子供扱いするな」って怒られそうだし、かといってこのまま何もしないのもそれはそれで不機嫌になりそう。
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