最強総長は闇姫の首筋に牙を立てる2。〜学園編〜
「早く済ませてほしいなら抵抗はするなよ?」

「抵抗したことなんて…っ!?」


「やっぱりお前の血は極上だな、闇華」

「そんなこと」


自分ではわからないし。だけど壱流が美味しいといってるならきっとそうなんだろう。


「感じてるのか?」

「よくわからない」


「俺に吸われたらどんな感じがする?」

「嬉しいような。でも…」


「でも?」


違和感がある。久しぶりに吸われたからそう思うだけ?だといいけど。なんか前には感じなかったモノが。


「すこし痛いだけよ」

「なら問題はないな」


「どうして?」

「俺が気持ちよくしてやるから」


「っ…」

壱流は自覚してその言葉を言っているの?それとも無自覚?


「お前は黙って俺に身体を預ければいい」

「わ、わかった」


ああ。やっぱり私は弱い。弱くなってしまったのは壱流、あなたのせい。だけど、他の人にはまだ負けるつもりはないから。


また狗遠のような吸血鬼が貴方を傷つけようとするならば、次は容赦しない。手加減は命取りだと今回の件で痛いほど実感した。それは壱流自身もそう。


「闇華、心配しなくていいぞ」

「なに、が」


「余計な心配をしたら血が不味くなる」

「そ、そうだった」


忘れていた。壱流は吸血鬼だから吸血してる間は相手の感情や考えてることがわかる。


「もう1人で抱え込む必要はない。今のお前には仲間がいるだろ?いや、それは昔も、か…」

「そうね。幻夢は今も私の大事な舎弟だし、今は狗遠だって私の家族よ」


あんなことがあっても家族だという私に狗遠ならきっと「だから貴様は甘いんだ」と言うだろう。だけど一度信頼した相手を、仲間を『家族』だとおもうのはそんなに悪いこと?私はそうは思わない。
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