デス・チケット
どうすればいいのか……。


考えているとき、不意にひとつの部屋の中からガンガンと物音が聞こえてきた。


そこは幽霊が入れられている部屋のひとつで、小窓から見えるのは男性の幽霊らしかった。


「ちょっと見てくる」


私はタイセイにそう声をかけて部屋に近づいてみた。


ちゃんと小窓から確認してみると、そこにいたのはやはり男性だった。


男性の服はボロボロで血がベッタリと張り付いている。


その男性はガンガンと壁やドアを殴り、頭を床に打ち付けて大きな声で吠えている。


今まで見てきた幽霊たちとは明らかに違う様子に後ずさりをしてしまった。


「なんだこれ」


ここまで移動してきたタイセイが小窓から中を確認して唖然としている。


「なにかあったのかな？」


「この人もきっと俺たちと同じ被害者なんだろうな。ここに無理やり連れてこられて怒ってるのかもしれないな」
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