デス・チケット
そう答えるタイセイの顔色は悪く、額に脂汗が浮かんでいる。


いくら止血したと言っても、肩を切られているのだ。


普通動き回ることはできないはずだ。


そんな体に鞭打ってタイセイは今頑張ってくれていた。


早く出口を見つけないと、このまま一生出られないかもしれない!


そんな焦りから私はすぐにドアの捜索を再開した。


少しでも指先に触れるものがあればかたっぱしから確認した。


けれどそれは単なる壁に使用した木材の凹凸でしかなく、その度に落胆のため息を漏らす。


タイセイもだけれど、自分の体も限界は等に超えていた。


精神的にもそうだし、霊気にあてられてずっと気分はすぐれないままだ。


それでも私の方は気力だけでどうにか動くことができていた。


「タイセイ大丈夫?」


静かになったことが気がかりでまた声をかける。


逆側の壁を調べていたタイセイは無言で頷いた。


荒い呼吸は続いていて今にも倒れ込んでしまいそうだ。


焦る気持ちからすぐに作業に戻った、そのときだった。


ガツンッ! と重たい衝撃が頭に走ってよろけた。
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