デス・チケット
それでもカマ男は魂から逃げてここまでやってきたのだ。


仮面から覗いている目は釣り上がり、私への憎悪が体中から滲み出している。


「ひっ!」


思わず悲鳴を上げて駆け出した。


カマ男が後ろから追いかけてくる。


何度もつんのめってこけてしまいそうになりながらも、必死で足を前へと繰り出す。


カマ男は声にならない怒号を張り上げて追いつこうとしている。


どうして!?


カマ男は動きが鈍いと思っていたのに!


そう思ったとき、ハッと息を飲んだ。


今カマ男はカマを持っていない。


あのカマが相当な重さだったとすれば、それを持っていない今動きが変わるのも納得できることだった。


でもそれじゃあ、私は逃げ切ることができるかどうかわからない!


ヒヤリと心臓に氷を押し付けられたような気がした。


私は逃げ切ることができないかもしれない。
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