デス・チケット
「どうしてこんなことになるの……」


悔しくて悲しくてずるずるとその場に座り込んだ。


だって、もう少しだった。


コノミの名前を出して我に返ったミチオを、連れていけるはずだった。


思えばいつでもこんな感じだった。


目の前に現れたと思った希望はすぐにしぼんで消えていく。


このお化け屋敷の中は徹底的に私達を追い詰めるようにできている。


「もう、無理だよ……」


私は力なく呟いたのだった。
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