デス・チケット
カズトモは懸命に足を前へ出すが、どうしても部屋の外に出ることができない。


それは冗談ではなく、本当に出られないみたいだ。


「嘘でしょ。なんで!?」


叫んだとき、カマ男が言っていたことを思い出した。


カズトモはチケットを購入した。


そのときにこの遊園地の生贄になると約束をしたのだと。


私は呆然としてカズトモを見つめる。


カズトモはなにかに気がついたようにズボンのポケットを探った。


そこから出てきたのは5枚のチケット。


仲間の分をすべてカズトモが持っていたのだ。


「これが、この部屋にしばりつけてるんだ」


カズトモは呟き、手からチケットを落とした。


それでも通路へ出ることはできない。


「嘘でしょ。だって、他の人達は全員部屋から出ることができたのに!」


他の人達だってチケットは持っていたはずだ。
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