デス・チケット
カズトモはそう言って微笑んだ。


しかし、恐怖心から指先はかすかに震えている。


私はそれを見なかったふりをして、頷いた。


とにかく前に進むしか無い。


カズトモのことは絶対に助けるけれど、まずはミチオが優先だ。


「わかった。かならず戻ってくるから」


私はカズトモにそう伝えて、ミチオが消えていった方へと走りだしたのだった。
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