デス・チケット
「あぁ。自分から相手に触れることはできても、相手が俺に触れることはできなかった。それに、やつらに点滴を打たれたとき、体から無理やり引き剥がされていく苦痛があった」


思い出して顔をしかめる。


それほどの苦痛を味わっていたなんて。


私は奥歯を噛み締めて改めて遊園地の関係者への怒りを覚えた。


「辛かったね。だけどもう、元に戻れるはずだから」


「あぁ。行こう」


ミチオと私はベッドのある部屋へと駆け出したのだった。
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