デス・チケット
☆☆☆

目印にしていたハンカチの前で立ち止まり、足で床を探る。


暗くて肉眼で見ることはできないけれど、そこには確かにドアを開けるためのスイッチがあった。


それを押した瞬間目の前の壁が左右に開いて、強い光を感じた。


白いベッドに白い天井。


病院内だってこんなに白色はしていないだろう。


部屋には10床のベッドがあり、すでに起きてベッドの上に座っている人の姿もあった。


「セイラ!」


私の姿を見つけて駆け寄ってきたのはタイセイとコノミだった。


コノミはまだ体が思うように動かないのか、ヨロヨロと便りない。


それでもどうにか私の前までやってきて、抱きついてきた。


「よかった、セイラ!」


「コノミも大丈夫?」


「うん! この通り、もとに戻ったよ!」
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