デス・チケット
手を伸ばしてそっと自分の体に触れる。


触れた瞬間ミチオは大きく息を吸い込む。


そしてベッドの上に乗ると足先を自分の体に合わせた。


「ほんとうにありがとう、ふたりとも」


「それは目が覚めてから言えばいい」


タイセイにそう言われてミチオは軽く笑ってみせた。


そして自分の体に重なり会う。


コノミがミチオの右手を握り締めてジッと見つめた。


私とタイセイはかたずを飲んで見守るしか無い。


ミチオの体はちゃんと元に戻ることができるんだろうか。


それとも……。


万が一失敗するなんてことがあったら?


そんなよくない想像が広がってきて、私はすぐに考えをかき消した。


みんなだってちゃんと元の体に戻ることができたんだから、きっと大丈夫。


大丈夫に決まってる!
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