デス・チケット
☆☆☆

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!


こんなのってあんまりだよ。


ここまで着たのに、友達を置き去りにして逃げるなんて!


「うううっ……」


苦しくて辛くて、走りながらうめき声が漏れた。


それでもタイセイは止まってくれなくて、気がつけばベッドの部屋の前まで戻ってきていた。


炎の手はここまで広がってきてはいない。


けれど、カズトモがいた部屋にはすでに火が回ってきていることだろう。


考えるとまたうめき声が漏れる。


ベッドの部屋に入って、外へ続く扉を開ける。


外はとても静かで、とっくに閉園時間が過ぎていることがわかった。


久しぶりに新鮮な空気を肺に取り入れたことで、霊気にさらされてきた心がスッと軽くなってくる。


でも、喜ぶことはできなかった。
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