デス・チケット
☆☆☆

さすがに人気のある遊園地だけあって、コーヒーカップに並んでいる人は多かった。


待ち時間は30分と出ている。


しかし、他のジェットコースターなどに比べればこれでも短い方だった。


「ごめん、ちょっとトイレに行きたくなっちゃった」


列に並ぼうとしたとき、コノミがそう言ってきた。


そういえば私も行きたいかも。


入場ゲートをくぐるだけでも随分並んだし、これからまた30分も並ぶのなら、先に行っておいたほうが良さそうだ。


私とコノミは男子たちに一声かけてからトイレへ向かった。


「セイラ、タイセイくんとうまくいくといいね」


個室から出てきて手を洗っている時、不意にコノミがそう言ってきた。


「と、突然なに?」


驚きと同時に鏡の中の自分の顔が真っ赤に染まる。
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