デス・チケット
こんなときに……!


立ち上がろうとしたとき強い殺気を感じて振り向いてしまった。


目前まで迫るカマ男が仮面の下で両目を見開いているのが見えた。


カマが大きく振り上げられる。


ダメだ。


間に合わない……!


絶望が全身の支配して両手で頭をガードしようと動く。


と、そのときだった。


「セイラ!!」


声がして振り向くとタイセイがこちらへ手を伸ばしていた。


なにも考えること無くその手を掴み、勢いよく立ち上がる。


タイセイに強く引っ張られてこけそうになりながらもどうにか走り出した。


その直後。


今まで私が倒れていた場所にカマが振り下ろされていた。


ガンッ! と地面を叩く音が鼓膜を揺るがす。


カマは地面にめり込んでなかなか抜けないようだ。
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