デス・チケット
誰も見知った顔はいないとわかっているのに、つい周囲を確認してしまう。


でも、コノミとミチオか。


頭の中で2人が並んで歩いているところを想像する。


身長差はあるけれどお似合いかもしれない。


「わかった。協力するよ」


そう言うとコノミはホッとした様子で微笑んだ。


ハンカチで手を拭きながらトイレから出る。


あれ、このスタンプ水でも取れないんだ。


ふと手の甲のスタンプのことが気になったけれど、今は遊園地を楽しまないと!


なにせ私とコノミの恋がかかってるんだから。


私はすぐにスタンプのことを忘れてしまったのだった。
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