デス・チケット
「どうせお化け屋敷の中からは逃げられないさ。出口も非常口も、もちろん入り口も塞いでるんだから」


思わず悲鳴が出そうになり、必死で喉の奥へと飲み込んだ。


2人の男は談笑しながらゆっくりと歩いていく。


「やっぱり、出口はどこにもないのか……」


しばらくしてなんの音も聞こえなくなったとき、タイセイがつぶやくように言った。


「そんな! じゃあ私達はここから出ることができないってこと!?」


その質問にタイセイは左右に首を振った。


これから自分たちはどうなってしまうのか、誰にも検討がつかなかった。


それでもジッとしているわけにはいかない。


こうしている間にも私達の体は霊気に汚染されて、どんどん動かなくなってきてしまうのだ。


「さっき、音がした方へ行ってみよう」


タイセイに促されて私はどうにか歩き出したのだった。
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