デス・チケット
カズトモと同じように抜け殻になって部屋の中に立ち尽くしているだけだ。


「くそっ! 今鍵を開けてやるからな!」


そう言ってもまた順番にひとつずつ当てはめてみないと鍵は開かない。


その間にさっきの男やカマ男が来ないとも限らない。


鍵が開いてもミチオが自分の意思で動いてくれないと、こちらはどうしようもない。


問題は山積みだ。


一体どうすればいいの?


出口は本当にどこにもないの……!?


涙で頭がぼーっとしてきたとき、ふと男たちの顔が浮かんできた。


もちろん見知らぬ顔だったが、あの男やカマ男はここの関係者で間違いない。
< 82 / 208 >

この作品をシェア

pagetop