デス・チケット
じゃないと今の状況を説明できない。


みんな捕まって殺された。


だから助ける必要なんてない。


これが真実に決まってる。


それでもタイセイは首を縦には振らなかった。


代わりに無言で私の腕を掴んで無理やり歩かせた。


「もういいってば!」


怒鳴って手を振り払おうとしたけれど、今度はしっかりと握りしめられていて離すことができなかった。


タイセイはずんずん歩いて行って、お化け屋敷の裏側へと通じるドアを開いた。


ドアが後方で閉まるとカマ男の足音も聞こえなくなる。


「従業員出入り口は必ずあるはずだ。それを探す」


タイセイは振り向きもせずにそう言い切ったのだった。
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