王女の選択
12
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気づいたら窓の外は真っ暗だった。
体を起こしてぼんやりしていると。少しずつ目が暗闇に慣れてきた。と同時に規則的な人の息遣いが聞こえ、びくっと体を震わせた。よく見ると腕を組んだ状態で目を閉じているジェラルドが椅子に腰かけている。
いつからいたのかしら。
夕食の時間はとっくに過ぎているはずだ。
そっとベッドから這い出すと、上靴を穿かないままそっとジェラルドに近づいた。一日中修復作業で疲れたに違いない。
カーラは指先でそっとジェラルドの前髪に触れると、思ったより柔らかくドキッとした。ぐっすり眠っているのか、起きる気配は全くない。
カーラは少し大胆になって、今度は指先の間に髪を滑らせてみた。
ジェラルドの安心しきった寝顔に思わず微笑む。
カーラはしゃがみ込むと、見上げるようにジェラルドを見た。
すっと通った鼻筋。
彫りの深い顔。
びっしりと生えそろった睫毛は目元に長い影を作っている。
カーラは誘われるようにジェラルドに近づくと、そっと頬に口づけた。