王女の選択
「ストラウス側はどうなの?被害はかなり大きいんでしょう?」
「父に便りを送って力を借りているから大丈夫だ。修復もかなり進んでいると今日連絡があった」
「あなたが収めている国なのに」
気にするなとでもいうようにジェラルドは鼻先に軽くキスすると、カーラを持ち上げベッドに降ろした。
「何か口に入れてから眠ったほうがいいが、食べられそうか」
「あまり食べたくはないの」
「緊張しているのか」
「・・・・そうなのかもね」
カーラはあいまいにほほ笑んだが、ジェラルドにはその表情が見えなかった。
カーラはジェラルドの顔をもう一度確認するように手を伸ばすと、その上に自身の手を重ね合わせ暗闇の中にあるカーラを見つめた。
「明日は長い一日になるだろう。ゆっくり休むんだ」
ジェラルドはもう一度カーラに口づけすると、部屋を後にした。
ジェラルド・アングラード。
明日何があっても、あなたへの愛は変わらないわ―――。
そう伝えることができたらどんなにいいだろう。
彼の口づけを思い出しながら、カーラは静かに瞼を閉じた。