王女の選択

セルドウィックでは伝統的に両者共に跪き、誓いの言葉を述べた後に立ち上がる。そして二人の誓いが終わった後、神父が二人の手を取って今日から二人は一つとなると宣言し、誓いのキスをする。
式は厳かに進んで行くのだが、カーラの心は落ち着かない。
初めて見るわけでもないのに、横にいるジェラルドを意識しすぎて鼓動が高鳴るばかりだ。こんな調子ではどうやって一緒に生活すれいいのかと逆に心配してしまう。

「カーラ」

ジェラルドは信じられないぐらい甘い眼差しでカーラを見ながら、カーラの名を呼ぶ。

「準備はいいな」

「??」

その瞬間、覆い被さるようにしてジェラルドがキスをすると共に、列席者の人の歓迎の叫びが礼拝堂に響いた。
うっすらと眼を開けて、見る見るうちに真っ赤になっていくカーラをうれしそうに見つめながらも、彼女の唇から離れることはなかった。

End



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