王女の選択

「特訓の成果を見せてくれるんじゃないのか?」

ハッと息を呑むカーラ。

「リュカと踊ったんだろう?」

「ぁの・・・それは・・・」

「ほら、早く手を出さないと、結婚早々離婚の危機だと思われるぞ」

慌てて手を差し出すカーラを見て、ジェラルドは思わずハハッと声を上げて笑った。

カーラの手を持ち上げ、大広間の真ん中へと導く。

さて、特訓の成果を見せてもらおうではないか。


と、その時。

大きな深呼吸の後、すっと背筋を伸ばし美しいカーテシーを見せるカーラに思わず息を呑みこむ。

カーラとの隙間を埋めるように一歩踏み込むが全く動じることなく、スッと顔をあげた。

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