王女の選択
「な!!何をなさっているのですかっ!!」
足をバタつかせるカーラを無視し、颯爽と大広間を後にし階段を駆け上がった。
「ジェラルド!」
「あんなふうに誘惑しておきながら、無視できるわけないだろう」
「ゆ!?誘惑なんてするわけありませんっ!」
「まさかあんなふうにリュカと踊っていたわけではないだろうな?」
おろおろしているカーラを見下ろしながら、これはしっかりとお仕置きをしておかないとまた他の男に誘惑するかもしれないなと呟き、足早と今日から二人の寝室となる4階へと向かった。
ろうそくの光が揺らめく二人の寝室はステラが全て準備を整えており、ジェラルドはカーラをただベッドに横たえるだけでよかった。
カーラの息遣いだけが部屋に響く。
ジェラルドは視線をカーラに置いたまま、首元の小さなボタンをゆっくりと器用に外していく。カーラの瞼、唇にキスを落とした後、顎、首筋へと落とし、またカーラを見る。
そこに映るのは、不安とそのすぐ横でほんの少しちらつかせる・・・期待。
肩のレースをずらすと真っ白な素肌が露になる。
唇をその滑らかな肌に這わせながら、自身の上着を床に落とし、シャツをズボンから引きずりだした。
カーラは思わず目を反らしたが、そんなことをジェラルドが許すはずがなかった。両頬に手を添え、カーラの視線を捉える。