王女の選択
両国に正式な挨拶をするために、ストラウス公国とジェラルドの父がいるアングラード王国に向かう準備を進めなければならない。
「そういえばクロエと仲良くなっていたね」
「ええ。自分は一人っ子だったし、話し相手はステラだけだったから、義理の妹を持てるなんて夢みたいだわ」
「そんなことを言っていられるのは今のうちだよ。クロエのことを知れば知るほどうんざりするかもしれない」
「あら、どうして?」
リュカは鼻の付け根を皺を寄せると、嫌そうにつぶやく。
「なんていうかな・・・。とにかく全く落ち着きがなくて、すぐに威嚇して来るんだ」
威嚇・・・?
「近づいてきたかと思ったら、ケンカ腰になったり。何を考えているのかさっぱりさ。」
「リュカがそんな風に思うなんて、相当手ごわい相手なのね」
「全く懐かない猫ってところかな」
そういうと、何か思い出したのか大きなため息をついたため、カーラは思わず吹き出してしまった。
「ジェラルドのことだからここぞとばかりにお披露目パーティーを催してはカーラを見せびらかすんだろうな」