王女の選択

両国に正式な挨拶をするために、ストラウス公国とジェラルドの父がいるアングラード王国に向かう準備を進めなければならない。

「そういえばクロエと仲良くなっていたね」

「ええ。自分は一人っ子だったし、話し相手はステラだけだったから、義理の妹を持てるなんて夢みたいだわ」

「そんなことを言っていられるのは今のうちだよ。クロエのことを知れば知るほどうんざりするかもしれない」

「あら、どうして?」

リュカは鼻の付け根を皺を寄せると、嫌そうにつぶやく。

「なんていうかな・・・。とにかく全く落ち着きがなくて、すぐに威嚇して来るんだ」

威嚇・・・?

「近づいてきたかと思ったら、ケンカ腰になったり。何を考えているのかさっぱりさ。」

「リュカがそんな風に思うなんて、相当手ごわい相手なのね」

「全く懐かない猫ってところかな」

そういうと、何か思い出したのか大きなため息をついたため、カーラは思わず吹き出してしまった。

「ジェラルドのことだからここぞとばかりにお披露目パーティーを催してはカーラを見せびらかすんだろうな」
< 175 / 196 >

この作品をシェア

pagetop