王女の選択

え?


ジェラルドのご家族の下へこちらから正式に挨拶に行くだけだろうと呑気な考えだったカーラは一気に現実に引き戻された。

それって・・・。もしかしたまたダンスを踊らなくてはいけないということ?

「リュカっ!!」

「わぁ!?なんだよ」

「お願いがあるの!」

「・・・・ダンスはだめだからね」

「っ?!」

「そんなのわかりきったことだろう。あの時だってジェラルドにどれだけ嫉妬されたか」


・・・・・・・でもリュカに頼むのはもうやめてくれ。


「あ!それともジェラルドにもっと嫉妬させて、私だけを見てほしいとか、そういうタイプ?」

リュカは目を細めながら、ジェラルドの気持ちを理解していないと言わんばかりに首を振った。

「ち、違うわ!私はただジェラルドに恥をかかせたくないだけなの」

「なら、ジェラルドに言えばいいじゃないか」

リュカは上品に口をナプキンでふき取ると立ち上がり、カーラを優しく見つめた。


「君のことなら、カーラ。ジェラルドはどんなことでもするだろうよ。」


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