王女の選択
私は騙されているのだろうか。
国王ルドルフの寝室の前に立ち止まって、自問自答を続けていたが、何の答えも生まれなかった。
父の助言が何かの役に立つかもしれないのは事実。
そうカーラは自分に言い聞かせると、寝室のドアをノックした。
中は暖炉の火が途絶えることなく続いていて、暑いぐらいだった。ベッドに近づくと国王ルドルフが額と胸部を包帯で巻かれた状態で横たわっており、荒々しい息遣いが聞こえてきた。
「お父様・・・」
ささやき声にもかかわらず、ゆっくりとルドルフは目を開きカーラに視点を合わせた。
ルドルフはぼんやりとカーラに焦点を当てたかと思うと、突然目が輝きだした。
「戦いは・・・・戦いはどうなった?」
「・・・しゅ・・・終戦となりました。」