王女の選択

「え・・・」

「相手をいい気分にさせるんだ。いいな。どんな手を使ってでもいい。何なら友好の印とでも言って宴を開いてもいい。そして、二日後・・・いや三日後、ワインに毒を混ぜて飲ませればいい。待て・・・どうせなら目の前で死にゆくのを見たい。宴は三日後、交渉と共に行うことにしよう。そうすれば、毒で苦しむ奴を見ることができる」


あまりの恐ろしさに、カーラは一歩後ずさりした。

「なっ…何をおっしゃっているのですか？」

「わからんのか？お前の剣の腕では太刀打ちどころか、遊び相手にもならなかったのだろう。私とて回復までに時間がかかるし、兵を立て直すのは無理がある。しかし、剣だけが方法ではない」

「ジェラルド大公を陥れれば、それこそ我々は完全に破滅させられてしまいます！」

「奴の首をアングラードに送ってやればいい。」

ルドルフは天井を見ながらその時のことを想像しているのか、恍惚な笑みまで浮かべていた。