王女の選択
しかし、今回の戦いは別である。
この戦いは一人の男、自分の父親による完全な失策から始まった戦いであり、国民の命を無駄にする父に対し怒りで体の震えが収まらなかった。
奇襲後、ストラウス側が城下町付近まで押し寄せてはきたが、騎士団長ロイドと共に作戦を練り直し、カーラの指揮によって今ようやく国境付近まで押し返していた。
―――今なら相手側は交渉を受け入れるかもしれない。
カーラにとって勝ち負けは何の意味もなく、いかに早くこの戦いを終わらせることができるかが最重要事項だった。
「ロイド!これから前線に行く」
口笛で愛馬を呼んだあと、カーラは叫んだ。
「なっ!カーラ殿っっ!!血迷ったことを言うのは止めてください!」
騎士団長ロイドは馬の背から叫んだ。
「この無意味な戦いを止めなければいけないわ」
「しかしっ!!」
「誰かが止めなければならないとすれば、私以外にいない。これ以上兵士の血を流すのは愚かだわ」
「カーラ殿っっ!!」
「これ以上大切な国民の犠牲はいらないわ」
「っ!!・・・お供します」
この戦いは一人の男、自分の父親による完全な失策から始まった戦いであり、国民の命を無駄にする父に対し怒りで体の震えが収まらなかった。
奇襲後、ストラウス側が城下町付近まで押し寄せてはきたが、騎士団長ロイドと共に作戦を練り直し、カーラの指揮によって今ようやく国境付近まで押し返していた。
―――今なら相手側は交渉を受け入れるかもしれない。
カーラにとって勝ち負けは何の意味もなく、いかに早くこの戦いを終わらせることができるかが最重要事項だった。
「ロイド!これから前線に行く」
口笛で愛馬を呼んだあと、カーラは叫んだ。
「なっ!カーラ殿っっ!!血迷ったことを言うのは止めてください!」
騎士団長ロイドは馬の背から叫んだ。
「この無意味な戦いを止めなければいけないわ」
「しかしっ!!」
「誰かが止めなければならないとすれば、私以外にいない。これ以上兵士の血を流すのは愚かだわ」
「カーラ殿っっ!!」
「これ以上大切な国民の犠牲はいらないわ」
「っ!!・・・お供します」