王女の選択
カーラは呆然としたまま、ルドルフの部屋を出た。


自分の父親が――。

少なくとも昔は一国の尊敬できる国王だった父が、今は悪魔に身を売ったとしか思えないような発言をしている。
戦いで敗れてしまったのにも関わらず、まだこの城で殺すチャンスがあると思っている。

そしてそれを行うのは私の役目だと。


そんな考えを持つ父親が信じられなかった。

これが戦いと言うものなのだろうか。

どんな汚い手を使ってでも戦いに勝てればいいと――。

今のカーラにはこの状況を打破する術など何一つなかった。






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