王女の選択

彼女を誰にも渡したくない。

ジェラルドは眼を閉じて、もう一度あの時の感触を思い起こそうとした時、リュカの声が中断してきた。

「で?どうするつもりだ」

「・・・なにが?」

「カーラのこと」

ジェラルドはリュカを睨んだ。

「?・・・なんだよ」

「・・・・気安く呼ぶな」

「気安くって・・・おい、まさか彼女の名前を呼ぶなとか言うんじゃないだろうな」

「そう言っている・・・」
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